アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.23 L.3】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.23 L.3 必要条件を証明する Y3 必要性を証明する
P.23 L.7 十分条件を証明する Y3 十分性を証明する

関連項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.23 L.1 (補題1*lについて) X (→詳細



  • 「条件を証明する」という表現は論理的にやや不自然ですので,ここは「必要条件を証明する」→「必要性を証明する」,「十分条件を証明する」→「十分性を証明する」の方が良いかと思います。
  • 原文でも,"First, the proof of necessity." と"The proof of sufficiency can begin with noticing..."のように"necessity"(必要性) と"sufficiency"(十分性)の表現になっているようです。
  • ところで,2012年4月29日現在,Googleでの検索結果を確認すると以下の通りです。
  • 同じく,2012年4月29日現在,Googleで以下の検索結果を確認できます。
  • こうしてみると,日本語では,「必要条件の証明」や「十分条件の証明」の表現もある程度一般的に見られるようです。その意味からすれば,(まだ実際の使用例は少ないものの)「必要条件を証明する」や「十分条件を証明する」も適切でないとは言い切れない面があるのかもしれません。
  • ここでは,しかしながら,1)論理的に考えて「必要性を証明する」や「十分性を証明する」の方がやはりより自然であること,2)原書でも"necessity"(必要性)と"sufficiency"(十分性)の語が用いられていることから,「必要性」および「十分性」の表現にした方が良いように思われました。





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2012年4月29日 初版をアップ]


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