アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.209, L.2】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.209 L.2 (補題10*aについて) X




(1)の証明について
  • 1つ目と2つ目の数式で,xとzに注目すると,ここまではERが満たされることが確認できます。他の2式はxとzに関してIで結んでいるので関係しません。よってERが満たされることが確認できました。
  • 4式を見ると,x, y, zとも最良であるとき,最悪であるとき,中間であるときがあります。よって,いずれも「最悪でない」と同意できておらず,「最良でない」とも同意できていません。また,「中間でない」とも同意できていません。以上より,VRが満たされていないことが確認できました。
  • 4式をみると,xPy, yPx, yPz, zPy, zPx, xPzのすべてがどこかに現れています。よって全体として,LAの条件に対応するペアが存在しないことになり,LAが満たされていないことが確認できました。

(2)の証明について
  • 1つ目の式が xPyPzの形であり,2つ目の式ではzPxが成立しているので,ERの成立するには,2つ目の式でxが最悪であることが必要であるが,そうなっていません。よってERに反しています。(反対に,2つ目の式から1つ目の式を見ていく方法でもERに反していることを確認できます。
  • 2式の双方でxが最悪でないことにより,VRが満たされています。(yが最良でないこと,あるいはzが中間でないことによっても確認できます。)
  • 2式の双方でxRyが成立していることによって,LAの成立を確認できます。
(3)の証明について
  • VRの成立:xが中間でないこと,あるいはyが最悪でないことで一致しているため,確認できます。
  • ERの不成立:1つ目と2つ目の式のみであれば成立していますが,1つ目と3つ目の関係に着目すると不成立を確認できます。
  • LAの不成立:xPy, yPx, yPz, zPy, zPx, xPzのすべてが現れているため,成立していません。
(4)の証明について
  • VRの不成立:x, y, zがすべて最良,最悪になる場合があり,最悪でない,最良でないとは同意していません。また,x, y, zがすべて中間になる場合単独で端の位置を占められない場合)があるため,中間でないとも同意していません。
  • ERの成立:1つ目の式でxPyPzとなっていますが,xとzを反転させる式は他にありません。よってERは成立しています。
  • LAの成立:xRzが常に成立しています。
(5)の証明について
  • LAの成立:yRzが常に成立しています。
  • ERの不成立:不成立の理由はいくつかありますが,1つ目の式と2つ目の式を比較するだけで確認できます。
  • VRの不成立:x, y, zがすべて最良,最悪になる場合があり,最悪でない,最良でないとは同意していません。また,x, y, zがすべて中間になる場合があるため,中間でないとも同意していません。
(6)の証明について
  • LAの不成立:LAの不成立:xPy, yPx, yPz, zPy, zPx, xPzのすべてが現れているため,成立していません
  • ERの成立:1つ目の式と2つ目の式が,最良と最悪を反転させる形になっており,ERを成立させています。
  • VRの成立:xとzは「中間でない」ことで同意されています。また,yが「最良でない」こと,また「最悪でない」ことでも同意されています。





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2015年7月15日 初版をアップ] (最終アップデート:2015年10月17日)
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