検討項目
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検討する部分 |
種別 |
訂正案, コメント |
P.3 脚注L.4 |
(脚注2の文献,G. Lefebvre,『フランス革命の到来』(The Coming of the French Revolution)について)
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X |
(文献情報,多くのフランス革命書籍から本書を選ぶ背景他)
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文献情報
- 集合的選択と社会的厚生では,G. Lefebvre(以下,「ルフェーヴル」)の著した元のフランス語の書籍(Georges Lefebvre: Quatre-vingt-neuf)を英訳した,The Coming of the French Revolutionから引用を行っています。この英訳書籍の書籍情報はすでに脚注2にありました。また,該当箇所前後の英文は以下のようになっています:
【該当箇所:P.101(Vintage Books社版の初版(1957) 第3刷(1959)より)】
De Launay offered to capitulate, threatening to blow the place up unless terms were given. Elie accepted, but the crowd protested: "Down with the second drawbridge! No terms!" Despite the objections of Louis de Flue, de Launay, at his wit's end, had the second drawbridge lowered.
- ルフェーヴルのQuatre-vingt-neufには,以下の邦訳が見られます。(上記の英文にあわせて該当箇所も確認します。)
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(i) ルフェーヴル『フランス革命 ---89年---』(鈴木泰平[すずきたいへい]訳)世界書院, 1952年.
〔初版:定価 280円,地方定価 290円〕
→NACSIS Webcatの所蔵図書館情報(1952年版)
→NACSIS Webcatの所蔵図書館情報(1961年版)
→NACSIS Webcatの所蔵図書館情報(1965年版)
【該当箇所:P145(初版(1952)第1刷より)】
ド・ローネーは妥協しなければ粉砕すると脅かして、
降伏を勧めた。エリーは受け容れたが、
群衆は「三番目の橋を落せ、絶対に降伏するな」と
反対した。ルイ・ド・フリュウの反対にもかヽわらず、
ド・ローネーは、頭が混乱して、二番目の跳橋を降した。
(いくつか訳出上の問題もあるようです。「三番目の橋」は文脈的にもおかしいのですが,印刷ミスかもしれません。)
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(ii) G. ルフェーヴル『1789年---フランス革命序論』
(高橋幸八郎[たかはしこうはちろう],柴田三千雄[しばたみちお],遅塚忠躬[ちづかただみ]訳),岩波書店,1975年, (ISBN-10: 4000011235, ISBN-13: 978-4000011235).〔定価 1,700円〕
→Amazonの書籍ページ
(2011年8月30日現在,在庫がないようです。またAmazonでは,2011年9月1日現在,発売日が"1989年"とありますが,岩波書店によると1975年出版で,(1978年に2刷が出たものの)1989年に特に版を改めたりはしていないそうです。この発売日データは,何らかの間違いではないかとのことでした。)
→NACSIS Webcatの所蔵図書館情報
【該当箇所:P157(初版(1975)第1刷より)】
ドゥ・ローネーは降伏条件の交渉に
入ることを申し出で、
もし交渉に応じなければ火薬庫に火をつけると
おどかした。エリはこれを受諾したが、
群衆は抗議し、橋を降ろせ、
降伏を許すな、と叫んだ。
ルイ・ドゥ・フリュの反対意見にもかかわらず、
ドゥ・ローネーは混乱の極に達して、
要塞入口の跳橋を降ろさせた。
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(iii) (上記1975年の翻訳書の文庫版:岩波文庫 青476-1(33-476-1)),岩波書店,1998年.(ISBN-10: 4003347617
ISBN-13: 978-4003347614).〔定価 660円〕
→Amazonの書籍ページ
(2011年8月30日現在,在庫がないようです。)
→NACSIS Webcatの所蔵図書館情報
【該当箇所:P198-199(文庫版第1刷(1998)より)】
(記述内容は1975年のiiの版と同じ。)
(邦訳は,iiiの版(iiの版と同じ)が特に参考になると思われます。)
多くのフランス革命書籍から本書を選ぶ背景
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この点はルフェーヴルの評価をめぐる歴史学界の状況が関係していると思われます。ルフェーヴルはマルクス主義的史観から階級闘争の文脈でフランス革命を捉えて記述しています。『集合的選択と社会的厚生』の原書Collective Choice and Social Welfareが出版されたころ,この点が,自由主義的史観に立つ新たな歴史学者から強く批判されていました。著者Senは,ルフェーヴルを擁護する意味をもってこのフランス革命書籍を取り上げているものと思われます。
〔以下準備中〕
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本ページの概要とお願い:
- 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の
特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
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本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。
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[2011年8月30日 初版をアップ]
(最終アップデート:2013年7月30日)
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