アマルティア・センの『集合的選択と社会的厚生』を開く

II.読解のポイントを探る 【P.3 L.15】

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検討項目

位置 検討する部分 種別 訂正案, コメント
P.3 L.15 に依存していることについて探求すること,に Y3 に対してもつ依存関係を探求することに



  • 現在の「依存していることについて探求すること,に」の部分は,原文では "with investigating the dependence"になっています。基本的には,「依存関係を探求することに」とも訳せる表現です。(dependenceは通常「依存」「依存性」と訳しますが,「依存関係」と訳す場合もあり,ここではその方が自然かと思います。)
  • 現在の「依存していることについて探求すること,に」は,先行する「仮定する」(assume)と比較して,「実際には依存している」という反対の意味を込めたものでしょう。
  • ですが,「依存していることについて探求する,に」とすると,本書が「実際には依存している」という事実を確認に向かう内容であるようにも読めてしまいます。
  • 本書は,実際に依存することは当然の事実として,その依存関係の詳細に向かう内容ですから, シンプルに「依存関係を探求することに」でよいかと思います。
  • (以上に加えて,前後の語調も考慮して,「に対してもつ依存関係を探求することに」の訳案を考えてみました。)





本ページの概要とお願い:
  • 本ホームページは,Amartya Sen先生の『集合的選択と社会的厚生』(日本語版, 勁草書房)の 特定の記述項目について,読む上でのポイントを考えるものです。
  • 本ホームページの主旨や注意などについては,こちら(「読解のポイントを探る」項目リストページ)をご覧下さい。




[2011年8月28日 初版をアップ]


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